全身経絡疎通

東洋医学の概念である経絡とは、気血の通り道として考えられており、臓腑(ぞうふ*1)と体表とを結んだ、全身に分布するルートのことを表します。経絡には、全身の臓腑を相互に接続して環のように流れる12本(*2)と、任脈(にんみゃく*3)と督脈(とくみゃく*4)を合わせた14本があり、全身に網目のごとく分布しています。

例えば、ある内臓に異常や不調があれば、経絡上の経穴(けいけつ*5)に反応が出ます。この場合、この経穴を刺激することにより、各臓腑に刺激を伝えることができ、全身のバランスを調整することができます。一方、体表に風等の外邪(がいじゃ*6)の侵入を受けると、経絡を通じて体の内側に変調を来たします。

経絡の中を流れているのは、気血というエネルギーです。この気血の巡りが良くなると、血行が促進されることや、免疫機能が改善されることにより、健康的な体を取り戻すことができます。つまり、気血の流れが良い、滞りの無い体のことを健康と言うことができます。

顔面経絡疎通

顔面経絡疎通とは

普段一所懸命ケアしているのにもかかわらず、なぜくすみ、たるみ、ニキビという肌トラブルが次々と出てくるのでしょう。その原因は顔面、体にある経絡のどこかが詰まってしまうことで栄養成分が吸収できなくなることにあります。例えば植物の根本まで栄養が届かないと、花が綺麗に咲くことができないのと同様に、普段の顔マッサージは肌表面だけのケアであるため、肌の下はガチガチに詰まりがいっぱいであるため、せっかくのお手入れが台無しになってしまいます。

顔面経絡疎通の原理

顔面経絡疎通は東洋医学の全息経絡の理論に基づき、牛の角を材料にしたカッサ棒、カッサプレートを使用して顔面に分布する経絡、内臓の反射点を刺激することで、皮膚と神経の伝達作用を利用し、臓器の働きを活発にさせ、詰まりをとり、血管の老廃物を代謝させます。それによって肌の再生機能を活発にさせ、元気な肌色、張りがある肌に導いていきます。特に顔面のたるみ、法令線などに有効な手技です。

顔面疎通のメリット

肌の新陳代謝の促進、経絡を疎通することで顔面に溜まった毒素の排出を助けます。顔の輪郭を作り、引き締まった艶のある肌に導いていきます。顔面経絡疎通法は顔面にある7つの経絡をしっかり疎通することで、気、血の滞りを流していきます。東洋医学では左が気を、右が血の運行をコントロールするという説があり、気をスムーズに運行させると、血の流れが自然にスムーズになります。

全息経絡

全息経絡は中国伝統の医学に基づいており、対症療法ではなく、原因を探る、全身を診て治療を行う、人間が本来持っている自然治癒力を高める、などの特徴を持っています。長い歴史の中で研究された陰陽五行、経絡・経穴の理論を吸収し、美容、未病防止、体の養生に幅広く取り入れています。全息経絡理論はそれぞれの部位に体の調子を反映する反射区があり、それをカッサすることによって、病気部位の診断、治療をすることができると言われています。